犬夜叉

【犬夜叉】退治屋 琥珀

cactus

琥珀くん。

大好きです。




琥珀くんは作中のポジション的には「脇役」だと思うのですが。

記憶を取り戻してからの琥珀くんの存在感はすごかったですよね。
高橋留美子先生も、琥珀くんに対してとても思い入れをお持ちなのが漫画から伝わってきました。



最終回と「あれから」では元気に退治屋として働き、成長している琥珀くんを見ることができました。




私は「琥珀くんの元気な様子を見ることができてよかった」と思いつつ、「主役じゃないから描けないだけで、琥珀くんの苦しみは簡単に乗り越えられるものではないだろうな…」とも思いました。

『犬夜叉』ワイド版の高橋留美子先生の琥珀に関するインタビューを読んでも、そう感じました。




でも、琥珀くんの「その後の人生」が暗く重いだけのものだとも思っていなくて。

私の中で、何曲か琥珀くんのイメージソングがあります。

音楽の力も借りながら、琥珀くん(以下琥珀)の「その後の人生」について考えてみようと思います。








https://youtu.be/0Avej9WiJQI

https://www.uta-net.com/song/17245/

琥珀は元々は姉から「臆病でやさしい子」と言われるような内気な子でした。
そんな琥珀は里のみんなが大好きで、ちょっと甘えん坊な子だったのかもと思います。

それがあんなことになり…琥珀は大きな傷と影を背負うことになりました。

過去に戻ってやり直すことができるなら、どんなにいいか。
でもそんなことは不可能だし、「今の自分」をあきらめずに生きていくしかありません。

琥珀の辛さの根幹は「苦しみが一般化できないこと」だと思います。
世界中探しても、琥珀と同じ目に遭い、同じ想いをした人はいないでしょうから…。

姉とすら完全には分かち合えない苦しみを、琥珀は一人で抱えて生きていかなくてはいけない。
これはとても寂しく、悲しいことです。

『犬夜叉』を読んでいても分かるように、琥珀は意識せずとも周りを惹きつけ、「この子の力になってあげなくては」と思わせるようなところがあります。

だから琥珀の「その後の人生」は決して孤独ではなく、むしろ多くの人から慕われ、頼られ人望ある退治屋の青年になっていくのでしょう。

それでも琥珀の心の奥底はこの歌のような寂しさと孤独があり、時にその感情に囚われて、一人だけでその感情をやり過ごす日もあるんだろうな…と切なくなります。







https://youtu.be/eoMD9oshW-M

https://www.uta-net.com/song/90563/

琥珀は「メンタル強すぎ」と言われることもありますが、彼のメンタルを支えたのは「育った里でとても愛されたこと」以外に「気の強さ」「観察眼」もありそうです。

琥珀は控えめだけどおとなしくはなく、驚くほど気が強いなと思います。

最初にそう感じたのは記憶が戻るシーンです。

私なら記憶が戻った瞬間に精神崩壊しますが、琥珀は衝撃は受けつつも崩れ落ちず「奈落を倒す」という目的にすぐにフォーカスしました。

里のみんなが大好きだからでしょうけど、これはかなり負けん気が強くないとできないです…。
私はここで惚れました。

次に感じたのは、神楽に記憶を取り戻したことを勘付かれたシーンです。

「自由になりたいんだろ?」と交渉を持ちかけ、「だったらどうする。奈落に言うか?」とある意味挑発もする。

神楽の羽に乗ってる時だから落とされたら終わりなのに、なかなかこれはできないです。

あまりにも肝が据わりすぎで、見ている私は肝が冷えました😂

自分から死亡フラグを打ち立てていくスタイル…。

持ちかけた相手が神楽なのも、よく見てるなと感じます。
のってくる可能性があるのは神楽だけですから。

「この人について行けば奈落を倒せるかも」と感じて桔梗さま・殺生丸さまについて行ったのも慧眼すぎます。

「気が強い」という言葉は「性格がきつい」みたいな否定的なニュアンスで使われる場合もあります。

でも琥珀の場合は負けん気の強さが「判断力・精神力・自分が苦境でも他者に優しくできる」などの長所に結びついているなと感じます。

里長の跡継ぎとして育ったので、そのプライドもあって控えめだけど負けん気が強い性格になったのかも。

「愛されて育った・気の強さ・観察眼」以外に「内省的」という面もありますね。

常に自分の中で「自問自答」を繰り返していたから、
「いざ」という時にいつも正しい選択ができたのではと思います。







https://youtu.be/xjKtyp3MSRI

https://www.uta-net.com/song/57819/

琥珀は賢くて感受性が強く、周りをよく観察している子だと思います。

それ故に他人の心が想像できるので、里にいた頃から相手を傷つけないように色々考えて発言する子だったのだろうなと。

あの悪夢のような出来事がなければ、「繊細なところがあるけど、優しくて賢い里長」となり、問題なく働いていたと思います。

でもあの出来事があり…琥珀は大きく深い「傷」を抱えることになります。

共に生き残った姉とも分かち合えない、自分一人で抱えていくしかない傷です。

琥珀はコミュニケーション能力もあり、周りから好かれる子ですから良好な人間関係を築いていくと思います。

でも、自分にしか分からない孤独と傷を持て余し、笑顔の影でこんな寂しい気持ちを持ち続けていくのも琥珀の人生なのかもしれないと感じます。








https://youtu.be/fR1gxz79zF4

https://www.uta-net.com/song/17738/

琥珀の傷はとても重く深いもので、犠牲になった人たちのことを考えると高橋留美子先生がワイド版でおっしゃっていたように「生涯癒えないし、癒えてはいけない」のだと思います。

でも、それだけだと琥珀の心が壊れてしまいます。

琥珀の傷は生涯癒えないし、忘れてはいけないかもしれないけど。

過去を忘れない=過去に囚われる
ではないですよね。

琥珀には過去よりも、「今」と「未来」と夢見て生きてほしいです。

大人になった琥珀が妖怪退治をして多くの人を救うことで、過去に琥珀に命を奪われた人たちの子孫が救われるかもしれません。

高橋先生の「癒えないし、癒えてはいけない」というお言葉、「忘れてはいけないけど、幸せになってほしい」と私は解釈しています。

だって、『犬夜叉』終盤の琥珀の描写を見たら、高橋先生が琥珀の幸せと未来を願っているのは明白ですから!







https://www.uta-net.com/song/74787/

琥珀の傷は重く深く、生涯消えないし、完全に癒えることは(悲しいけど)ないと思います。

でも、傷を抱えたままでも幸せにはなれますよね。

傷を抱えながらも、多くの人を救うために妖怪退治屋として戦って。
生きていく中で出来た人間関係を大事にして、人と結びつく喜びを増やしていって。

そんな人生を5年、10年、20年、30年…過ごしていって。

いつか琥珀が花のように笑えるようになってほしいし、自分の傷を触って、向き合える日が来るといいなと思います。






https://youtu.be/KDJNBfs00D8

https://www.uta-net.com/song/58635/

『半妖の夜叉姫』では、アニメ版・漫画版共に琥珀は独身でしたね。

「琥珀は生涯独身かも」と私も考えたことがあります。

トラウマが大きすぎて、誰とも分かち合わずに一人で抱え込んでしまうかもと。

その上で私の願望を述べると、
「伴侶を得て結婚し、長い人生を共に過ごした末に『傷が少しだけど癒えている自分』に気がつくおじいちゃん琥珀」。

これが「琥珀のその後の人生」であってほしいです。






https://youtu.be/51hNqgg8fjQ

https://www.uta-net.com/song/99675/

もし琥珀にパートナーが出来るとしたら、琥珀に前向きな気持ちをくれる人ならいいなあ…なんて想像します。

琥珀と同じように優しくて繊細で、琥珀の悲しみにどこまでも寄り添ってくれる人だと、一緒に沈み込んでしまいそうな怖さもあるんですよね。

明るくてどこかあっけらかんとして、まっすぐな気持ちを持っている人。

そんな人と出会って、琥珀の過去を完全には分かり合えなくても、同じ方向を見つめて一緒に歩いて行ける二人になれるといいなと思います!







https://youtu.be/vtj7vsSvx2E

https://www.uta-net.com/song/36523/

『半妖の夜叉姫』では、琥珀は退治屋の里を復興し、大規模な組織となった退治屋の長を務めていました。

『犬夜叉』世界の琥珀が退治屋の里を復興までするか?と考えると、私はそこまではしないかなと…。

琥珀にとって滅んだ故郷は特別な場所で、安易に復興とか考えられないと思うんですよね…。

(琥珀のせいではないとはいえ)故郷の仲間たちに対して罪悪感も抱いているでしょうし。

でも多くの人を救う=多くの妖怪を退治するためには、仲間の存在はやっぱり必要で。

だから、『犬夜叉』原作世界の琥珀は「里の復興はしないけど、十数人ぐらい?の仲間を集めて、中規模で退治屋を組織化する」んじゃないかなと想像しています。

『犬夜叉』最終回でも「あれから」でも、妖怪退治屋として生きていく琥珀の決意が描かれていました。

この時点では琥珀と珊瑚しか仲間はいない(多分)ので、果てしない道のりだと思うんですけど。

ワイド版のインタビューで「退治屋は、珊瑚と琥珀の里以外にも妖怪退治屋はいるのかも」とありましたし、他の里出身の退治屋との出会いがあってそこから仲間を増やしていくのかもしれないですね。

全くの素人から退治屋になるというのも、かなりの決意が必要だし。
でも妖怪に家族を殺されたり苦しめられている人は多いでしょうから、『鬼滅の刃』の鬼殺隊のように一般人から応募してくる人もいるのかも…。

琥珀が妖怪退治屋の仕事に精を出しているのは、罪滅ぼしと恩返し両方の意味があるのでしょう。

絶望と傷を抱えながら、「父と仲間の意志を継ぎたい」「多くの人を救いたい」という誓いを胸に、光と希望に向かって走っていくのが琥珀の「あれから」の人生なのだと思います。






https://www.uta-net.com/song/71095/

多くの人の助けがあって、琥珀は「生きる」ことができました。

琥珀が過去に苦しめられることはあっても、自分を助けてくれた人たちのことを考えたら絶対に自暴自棄にはならないでしょう。

犬夜叉一行、殺生丸さま一行、そして小さい頃から・どんなことになってもずっと自分を守ってくれた姉。

父と退治屋の里の仲間たち。

姉と自分の相棒で戦友で、家族でもある雲母。

命がけで自分を助けてくれた神楽、桔梗さま、弥勒さま。

彼らの存在があるから、琥珀は「生きる」ことができたし、その感謝と尊敬の念は彼の心から生涯消えることはなく、彼が生きていく支えと救いになっていることでしょう。

時に辛い過去に苦しめられても、誰かに憧れる気持ちを忘れず、自分自身と自分の未来を信じる気持ちを捨てず、前を向いて歩いて行くのが琥珀の人生なのだと思います。




https://www.uta-net.com/song/5808/

ここまで長々と書いてきましたが…。

私は琥珀が大好きなので、やっぱり「優しさと愛と安心感に包まれた人生を送ってほしいな」という気持ちがあります。

過去に囚われてしまう時もあるだろうし、今生きているのが辛いと思うこともあるかもしれない。

でも、こんな気持ちで目覚める朝も琥珀の人生にたくさんあるといいな…そんな風に思います!

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